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□家族は〇〇〇
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27歳の育ての父親が結婚し、17歳の高校の先輩で生徒会長が母親になりました
そして、生徒会長が母親として我が家に来てから数週間
俺、シン・ヤマトの生活は劇的に変化した
まず、生徒会長の家事のスキルは半端じゃなかった
直ぐにでも店が出せるだろって程の料理が毎日並び、更にはお弁当まで
掃除してはいたものの、本来めんどくさがりな俺とキラは自動掃除機ルンバにほとんど助けて頂いていた
棚の上なんかは、やや放置気味だったし…
しかし、会長が来てから家中あっという間に掃除され
棚の上の埃は全て消え、モップ掛けされたフローリングは光っていた
ルンバはあわやお役御免かと思ったが、『平日はちゃんとお掃除出来ませんからまだまだ頑張ってもらいます』と市民権を得た
洗濯が溜まる事も無くなり、男の二人暮らしと言う感じだった我が家だが
一人女性が居るだけでこんなに変わるのか…と感心した
そして、なんと、残念な事に…
俺の家庭教師が二倍になった…
キラに今まで理数系やプログラミングを教わっていたが、文系が苦手で軽く捨てていた…
しかし、会長は文系の人間…
『キラが理数系なら、私は文系を担当しましょう
次の期末の結果はビックリしますわね』と意気込んで言われ
バイトから帰宅後の勉強の時間、断りきれず二人からのスパルタ教育を受ける事が決定した…
(因みに、期末の結果は文系が上がった分総合順位も大幅アップした)
「シンくん!おかえりなさい!」
「あ、会長…ただいま、です…」
「もう…会長では無くお母さん、敬語も無しって言ってますのに…」
バイトから帰宅するとエプロンを付けたままの会長が玄関まで出迎えに来てくれた
頬を膨らませる会長には悪いが
やはり、2歳しか変わらない相手をお母さんとは呼びにくいし
学校でのクセで敬語が抜けきらない
「まぁ、良いですわ…
会長ではなく、お母さんかラクスと呼んでくれるまで気長に待ちますわね」
「ん…ありがとう…」
気にしないでください、とニッコリと微笑んで言われ若干調子が狂う
学校での会長は眼鏡に三編み、微笑は浮かべても基本目付きが悪いイメージだった
別人かとも思うが、毎朝学校モードの会長を見る度に同一人物なのだと確認してしまう
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