□一生一度の〇〇〇
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「父さん、入るぞ?」

「ん?やぁ、シン
受付係、今日は頑張ってね?」

白いタキシードに身を包み笑うキラは息子の贔屓目じゃなく、かっこよかった

「主役に頑張ってって言われたくねーから…
父さんこそ、間違って母さんのドレス踏むなよ?」

「うぅ…止めてよ、言われると本当にやっちゃいそうじゃないかぁ」

緊張してはいるのか苦笑浮かべるキラに笑みを溢す

「そういや、父さんはもう母さんのドレス姿見たのか?
どんなだった?」

試着の時はバイトで居なかったから
ラクスが選んだドレスを知らない俺は身を乗り出して問いかける

「いや、まだ見てないよ
会場までのお楽しみにしてるんだ
直ぐそこの部屋だから、シンは行って来たら?」

試着の段階で見てるクセに、と思いつつ
そういうもんなのだろうと納得して説明された部屋に向う

「母さん、入るよ?」

「はい、どうぞ?」

扉をノックして了承を得てから開ける


そこには純白のドレスに身を包み、ほんのりと嫌味じゃない程度にメイクを施したラクスが居た

髪は家での下ろした状態でも、学校での三編みでも無くて
すっきりとまとめてあり
小さな青い花が着いたベールを付けていた

「………」

「シンくん?どうしましたの?」

「はっ!?あ、い、いや…
母さん、いつもと違うみたいだなって…」

似合っている、と慌てて告げれば
ありがとう、とふんわりと微笑まれた

お色直しで着ると言うドレスと着物を見せてもらったら
そのどちらも綺麗できっと、ラクスに似合うんだろうなと今から楽しみになって来た


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