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□一生一度の〇〇〇
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「皆さん来てくださるのに…
キラは来ませんわね」
「あ、父さんは会場までのお楽しみって言ってたから…」
「あらあら…遊びに来てくださるかと待ってましたのに」
頬を膨らませる姿が家でのラクスに見えてつい笑みが溢れる
「受付係の方は、受付にお願いします」
「あ、はい、じゃあ俺行くね
母さん、頑張ってね」
「はい、シンくんも頑張ってくださいね」
また主役に頑張ってって言われてしまった、と思いつつ受け付けに座る
二人とも顔は広いからか続々と来客が訪れる
キラの会社関係や友人は大体会った事がある為、皆気安く挨拶してくれる
なんとかサポートして貰いながら受け付けを済ませると直ぐに会場に移動する
親族席と用意された場所にはキラの身内はカガリと叔父さんのウズミさん、俺が座る
入場曲が流れ入口に目をやり現れたラクスに拍手が起こる
先程見たばかりの二人なのに神父さんの前に並んで立っていると写真のようでつい感嘆の溜め息が漏れる
厳かに式が行われ、次は披露宴、と会場を移動する
雛壇の間近の席につい興奮しつつ、たくさん写真を撮らねばとデジカメを取り出す
披露宴では先ずは淡いラベンダー色の羽根のようなドレスのラクス
それに合わせて色身の似た、王子様みたいなタキシードのキラが登場して
ケーキカットやキャンドルサービスをした
豪華な料理に舌鼓を打ちつつ二人や会場を写真に収める
プロのカメラマン程の技術は無いが、知り合いだからか皆緊張せずに緩い笑顔を向けてくれる
デジカメの動画モードでお祝いのコメントも忘れずに頂いておく
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