□愛し方
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そのまま休む間も無く曲調が変わると再度歓声が起こる

今度は何だとステージに釘付けになるとステージ全体にライトが当たる

そして歌姫の前に赤い髪の少女が露出の高い衣装に身を包み現れ

曲に合わせてヒラヒラと布を翻し
付けているアクセサリーがシャラシャラと音をたてる

隣で今度はシンが息を呑み踊り子を見詰めているのに気付いたが
それよりも歌姫から視線を反らしたくなかった

踊り子が舞う度に花のような甘い香りが漂い
歌姫の曲と相まってまるで夢の世界にいるような気分になった

楽園とはこういう所を言うのだろう、とぼんやりと思う頃には演目も佳境を迎え
楽しい時間はあっという間に過ぎていた


終演後、町人達が帰路に着き一座の団員だけになった頃、座長の元へと男が訪れた

「ん?申し訳ないが今日の公演はもう終了しているんだ
明日、また来ていただけないかな?」

「いえ、今日の公演を見て、お願いがあるんです」

また歌姫や踊り子に会わせてくれ、と言われるのかと思い
座長はどうあしらうかと思考を巡らせる
しかし、男が発した言葉は予想を裏切る内容だった

『是非とも宮殿で演目を披露して欲しい』と言うのだ

貴族の使いだと言う男は明日また来るからその時に返事を、と帰って行った

どうするかと団員を集め問いかける

「私は…座長の…バルトフェルドさんの意向に従いますわ」

「私もよ。まぁ、ちょーっとくらいは…宮殿がどんなのか気にはなるけどね」

メインでもある歌姫ラクスと踊り子ルナマリアの言葉に
座長、バルトフェルドは宮殿での公演を承諾する

翌日再度訪れた使いに承諾を示せば
明日にでも、と言われ明日の公演を休止して宮殿で行う事に決める


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