□新しい〇〇〇
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「ふふ…女の子でしたの
シンくんの妹ですわ」

「俺の、妹…」

脳裏に血を分けた妹の姿が思い出され微かに胸が締め付けられた

かぶりを振り目の前の新しい妹へと視線を向ければ
いつの間に起きたのか赤ん坊と目があった

クリクリとした大きな瞳はキラに似て紫がかっていた

茶色の髪に紫の瞳

ほんの数年しか一緒にいられなかった妹にそっくりで息を飲んだ

「っ…マユ……」

ポツリと妹の名前を呟けば赤ん坊はキョトン、として
大きな目をクリクリさせたままじっと見詰め返してきた

「…前に見せて頂いたシンくんのアルバムに写っていたマユちゃんに、似てますでしょう?」

「僕達もね、ビックリしたんだ…
だから、早くシンに会わせてあげたかったんだ」

二人も妹の姿を写真で知っていたからきっとこんなに瓜二つで驚いたのだろう
マユがまた妹になってくれたのだろうかと考えてじんわりと涙が滲んだ

「…名前はアウラといいますの
風という意味があるそうですわ…」

「人の悲しみを癒す風のような優しい子に育って欲しい…
そんな思いで名付けたんだ」

呼んであげて?と告げる二人に小さな妹の名前を告げる

「あう、ら…アウラ…」

「あぅ!」

シンが名前を呟けば自分の名前だと解っているのかニッコリと微笑んで声をあげた

「アウラ……元気に育てよな…」

「だぁ、ぶぅ…」

生きたくても生きれなかったマユの分まで元気に育って欲しいと願いながら呟けば
シンの気持ちを解っているのかいないのか神妙に返事をするアウラ

ほんの数年しか一緒にいられずあまり愛情を注げなかったマユの代わりに
アウラには目一杯の愛情を注いでやろうと密かに誓うシンだった

勿論、近い将来シスコンブラコンな兄妹になるのでした…


end
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