‡Title
□【恋に頑張る10のお題】<完結>
10ページ/31ページ
約束の休み時間になりラクスはいそいそと中央図書室に向う
図書室ですれ違う男子が目を見開いて凝視するのに
微かな居心地の悪さを感じつつ本を返却し
棚から新しい本を選ぶ
そして、普段自分が読んでいる分厚い本とは違う
薄い本も選び何時もの指定席に向う
「…ぁ…」
既に先客がいた
キラがもう待っていたのだ
「ん?やぁ、ラク……」
ぼんやりと窓の外を眺めていたキラが振り返り微笑んで挨拶をするも
ラクスの顔を見て驚愕に目を見開き固まる
「あ、あの…こんにちは…」
「あ、うん…こんにちは…
え?どう、したの…?」
困惑している様子のキラにイメチェンは失敗だったかと泣きそうになる
うるむ瞳をあの分厚い眼鏡が無いからもう何も隠してくれない
「い、イメチェン…
コンタクトに、して…
髪も…お友達、が…して、くれて…」
やらなければ良かった…
恥ずかしい…
羞恥にじんわり涙が滲む
「ラクスがあまりに綺麗でビックリした…
一瞬、絵画かと思ったよ」
キラの言葉に驚いて顔を上げる
嘘を言っているようには見えなかった
.