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□【恋に頑張る10のお題】<完結>
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「はぁ…ちょっとビックリしたけど…
何も無いなら良かったよ」

「驚かせて、ごめんなさい…
ちょっと…悲しい、シーン…だったもので…」

安堵の息を吐く彼に驚かせてしまった事だけでなく
失礼な想像をしてしまった事に申し訳なく感じつつ謝れば
泣いた原因が気になるのか何を読んでいたのかと聞かれる

その問いに友達に薦められた恋愛小説だと説明しながら表紙を見せる

タイトルを見て知っていたのか話題のやつだね、とは言っていたが
やはり男性は恋愛小説への興味は薄いみたいでそれ以上本に触れなかった

昨日勧めた本も恋愛小説じゃ無くて良かった、とほんの少し安堵の息を吐く

「あ!そうだ、昨日の本!
スッゴい面白かったよ!」

「まぁ!早速…読んで、くださったんですか…?」

活字が苦手と言っていたから数ページで終わってしまうかも、と思っていた為
少し意外に思ってしまった

「うん、つい時間忘れるくらい読んじゃったよ」

もう読み終わった、と得意気に微笑む彼が幼く見えて少しだけ可愛かった

「活字、苦手って…おっしゃってたから…
ちょっと、不安…でしたの…」

社交辞令だったかもと少し悩んでいたから
本当に読んでくれて嬉しかった

「ラクスの選ぶのが上手いんだよ
また何かお勧めってあるかな?」

「は、はい!」

ニッコリと微笑んで言われ慌てて頷く

また自分を頼ってくれて素直に嬉しかった

そして早速立ち上がり一緒に本を選ぶ

「んと…あ、ヤマト君…これとかも…面白い、ですわ…」

「ありがとう、じゃあ今日はそれを借りようかな」

棚の前に並んで立ち、アレコレと悩みながらお勧めの本を選び差し出す

それを笑顔で受け取り、まだ時間があるからと指定席に戻るキラ


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