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□【恋に頑張る10のお題】<完結>
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06.おまじないに頼るだけじゃダメってわかってるけど……


朝起きて、制服に着替え髪をとかすと
買ってもらった髪飾りで前髪を抑え、赤いリボンでポニーテイルにする

鏡に写る自分に笑いかけ、朝食を取り学校に向う

何時もと同じ通学路なのに、彼からのプレゼントを身に付けているだけで
世界がキラキラしているように感じる

褒めてくれるかな、なんて思いながら教室に行き席に座る

鞄の中で携帯が振動して取り出せばメールの着信

《おはよう。
今から電車乗るけど、相変わらず混んでるよ…
ラクスはもう学校着いた?》

キラからのメールに自然と頬が緩む

ポチポチと携帯を操作して返信

土曜日にアドレスを交換して、今日は月曜日
まだ2日も経って居ないのにたくさんメールをした

何気ない事でも話したりして、休み時間の楽しい時間がもっと増えた気がした


その日、フレイから両思いになれるというおまじないを教えてもらった

図書室に行く暇の無い短い休み時間に道具を貰い教わりながら実行

赤いフェルトをハート型のマスコットにして、互いの名前の分ビーズを入れる…

キラキラした淡いピンクのビーズが可愛くて飾りにもしてストラップのようにする

「…出来た…」

自分の思いを込めて作ったおまじないのストラップ…

大切そうにそっと携帯に付ける

少し、何時もより勇気が出せそうだな、なんて思いながら
授業を終え足早に図書室に向う


本を返却して、何時もの指定席に向う

ヒョイ、と棚を覗いた時に胸が締め付けられた


ヤマト君の向かい…

私のいつも座る場所に知らない女の子…


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