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□【恋に頑張る10のお題】<完結>
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01.貴方が相手なら、男性恐怖症だって乗り越えてみせる!


共学と銘打ちながら実際は男女別校舎

普段の接点は職員室、中央図書室のみでそれ以外はほぼ皆無

体育の授業で校庭に居るのをたまに見掛ける程度

学校行事で年に数回会うか面会希望が相手に受諾された時だけ

そんな、監獄のような学園に私は通っています


幼少期から私は若干の男性恐怖症気味だった

中学からこの学園に入学してますます異性と距離を取った私

初恋なんて当然まだ

通学も女性専用車両のみを使用して通学時間のピークをずらす為に毎日早起き

だけど、うっかり寝坊してしまったある日
駆け足で途中まで行って突然ローファーの踵が壊れてしまい
周りを見ても早朝でお店も開いていない

駅まで行くより帰宅した方が早いだろうと仕方なく家に戻り
別のローファーに履き替え登校する

何時もとほんの数十分しか違うのに既にたくさんの人

同じ学園の制服に身を包んだ人もたくさん居た

階段を上がり改札を抜け、ホームに出るのにまた階段を降りる

なんて面倒くさい作りなんだろうと毎日思うが
人が多いと余計に思ってしまう

女性専用車両の停まる場所まで何とか間を縫って移動する

ホッと一息着くと同時くらいにホームに電車が滑り込んで来た

電車に乗り込み、ようやく女性だけの空間だと気を緩めて顔を上げて驚く

何故周りに背広や近隣校の学ラン等が居るのか
訳が解らない、と戸惑ううちに電車が動き出す

そして時間帯の問題で普段と女性専用車両の位置が違うのだとようやく理解した

満員程では無いけどそれなりに込んだ車内
容易に別の車両になんて移れない

ほんの数駅のガマン、と気を引き締め手すりにギュッと掴まる

そしてその時に自分の足に触れる手に気付く



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