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□【恋に頑張る10のお題】<完結>
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昨日は本を借りていないのでキラに渡す包みだけを抱えて図書室に向う
今日は自分の方が先で本を選んで席に座り本を読みながら待つ
「ラクス!」
「あ、ヤマト君……っ!!」
顔を見た瞬間、昨日の事とか今朝の夢を思い出してしまって一気に顔が赤くなる
「今日は何読んでるの?」
「へぁ!?あ、ああ、あの…
文化祭の…喫茶店のメニュー、考案で…料理本、を…」
普通な様子のキラに余計焦りながらもなんとか説明する
「そうなんだ〜…ん?これ、何?」
「あ…えと、これ…試作品として、作ったんですが…
朝、友達が…メニューに、決定って言ってくれたんでけど…
その…ヤマト君にも…感想、貰えたらなって…」
不思議そうに包みを見るキラにオズオズと差し出す
「え…ラクスの、手作り…?」
「は、はい…
幾つか、作ってみたんですけど…
あの…いらなかったら、無理にとは…言わない、ですが…」
呆然とする姿に不安気に眉を下げ、小さく呟くと
勢いよく首が振られる
「いらなくなんかない!
ありがとう!味わって食べさせてもらうね!」
早速開けようとするキラを慌てて止め
流石に図書室は飲食禁止だから後で食べて、と箱を渡す
喜んでくれた様子にホッとしつつ
何時ものようにキラにお勧めの本を選んで
チャイムが鳴ると受け付けを済ませて教室に戻る
キラが昨日の事に特に触れなかった事は気にしてはいけないんだと思い込む事にした
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