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□【恋に頑張る10のお題】<完結>
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放課後、文化祭の話し合いで少し遅くなり
窓の外の風景が暗くて急いで帰り支度をする

すると、携帯が振動して確認するとメール

《さっき貰ったお菓子、スッゴい美味しかった!!
気が付いたらあっという間に食べ終わっちゃったよ
当日も絶対に食べに行くね!
ようやく文化祭の話し合いが終わって今から帰るよ〜》

キラからのメールに
自分も今から帰宅する旨を返信すると直ぐ様着信が鳴る

慌てて通話ボタンを押すと耳元にキラの声

内心ドキドキしながら口を開く

「も、もしもし…?」

『もしもし?ラクス?
今から帰るんなら、遅いから送ってく!
女子部の校門で待ってて』

「え?あ、あの…」

用件だけを言うと通話が終了され
ツーツー、と無機質な音が響く

呆然となるも内容を理解した途端慌てて準備を整え
教室の後ろにある鏡で身だしなみを整えてから校門に急ぐ

女子と男子の校門は広大な校舎の左右にある為
駅の出口自体が違うのに、わざわざこっちに来るのだろうか…

自分の為に遠回りさせる事に申し訳なく思うも
キラと二人で下校、という魅力に負け大人しく校門で待つ

通行人を眺めながら、キラの事を待っていると遠くから姿を見付け
目が合い、自然と頬が緩む

息を切らしたキラが近付き、二人並んで下校する


他愛ない話をして、家にまで送ってもらい
何度もお礼を言いながら家に入った


「……はぁ…彼女だったら…
ご飯一緒に、なんてお誘い出来たのかな…?」

シン、と静まり返った邸内にラクスの小さな呟きがやけに大きく響いた気がした


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