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□【恋に頑張る10のお題】<完結>
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「あ、あの……あの時は…ありがとう、ございました…」

失礼だけど俯いたまま小さくお礼を言う

「気にしないで?
あれから、電車は大丈夫?」

「は、はい…いつも、は…早い時間の…女性せんよ、に…」

「ああ、あの日だけたまたま普通車両に乗っちゃったんだ?」

コクコクと頷けば災難だったね、と苦笑を返された

面会希望は出せないし、同じ時間の電車に乗る勇気も無くて
途方に暮れていた時にいきなりまた遭遇した

今日もお洒落なんてしてなくて
会えて嬉しいやら恥ずかしいやらで
穴があったら入りたかった


「…図書室ってあんまり来ないけど…いい雰囲気だね」

「…本…読まない、んですか…?」

ポツリと独り言のように呟いた彼に
つい、声をかけてしまった

そしたら、え?と驚いたように見られ
話しかけた事を後悔して俯く

「ん〜…どうにも活字が苦手で…
あぁ、でも…本を読む女の子は好き
好みのタイプかな…」

「っ!!」

しっかりと目を見て、自分が今まで読んでいた本を指差す彼に耳まで赤くなるのが解った

恥ずかしくて俯きたいのに、彼から目を反らせなくて
どうすれば良いのかと戸惑う


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