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□【恋に頑張る10のお題】Side−K<完結>
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03.眼鏡からコンタクトに。うぅ、緊張する


昨日、図書室で会う約束を(半ば無理矢理)取り付けた

朝から、いや…昨日の休み時間の後からずっと頬が緩みっぱなしでクラスメートに気味悪がられた

相変わらずの面会希望も拒否の返答を返し
授業が終わると同時に中央図書室に駆け込む

まだラクスは来て居なかったが真っ直ぐ昨日の席に座る

早く来ないかな、と思いながらぼんやりと外を眺める


「…ぁ…」

小さな、だけど彼女の声だと直ぐに解って
頬が緩むのを抑えきれずに振り向く

「ん?やぁ、ラク……」

其処には美少女が立っていた

桜色の髪をハーフアップにし、大きな湖のような瞳が惜しげもなく晒され
ほんのりとされた薄化粧は
彼女の魅力を最大限にまで引き出していた


「あ、あの…こんにちは…」

「あ、うん…こんにちは…
え?どう、したの…?」

声を聞く限りでやはりラクスだ

困惑を隠せないでいると昨日も何度か見た
困ったように眉尻を下げた表情を浮かべ俯く

あの分厚い眼鏡が無いせいか大きな瞳がうるみ
泣きそうなのがはっきりと解りますます焦る

「い、イメチェン…
コンタクトに、して…
髪も…お友達、が…して、くれて…」

そうか、イメチェンをしたのか…

「ラクスがあまりに綺麗でビックリした…
一瞬、絵画かと思ったよ」

恥ずかしい、なんて思いもせずに思った事がポロリと口から溢れた

顔を上げたラクスの瞳はまだうるんでいて
危うく泣かせてしまう所だったのかと血の気が引く


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