‡Title

□【恋に頑張る10のお題】Side−K<完結>
18ページ/31ページ


《ごめんなさい、先生に用事を頼まれて今日は図書室に行けないです》

ラクスからのメールにガックリと落胆してしまう

今日は会えないのか…と席を立ち
ラクスが来ないなら教室に戻るとカガリに告げる

「ちょ…クラインさん!?クラインさんってばー!」

受け付けの図書委員が入り口に向かって声をかけていて首を傾げる

「どうしたの?」

「あ、キラ…いや、さっきクラインさんが返却したんだけど、ちょっと不備があってさ…
貸出しの時でいっかなって思ってたら走って出てっちゃったからさ…」

図書委員の言葉にもしかして、カガリと話していたのを見たのかもしれない…

誤解をされたのかと思ったら駆け出して、迷いもせず右…
女子部の校舎に向かって走っていた


廊下を走って、角を曲がるとそこに桜色を見付けた

「…ラクス!!」

「っ!?…え?なん、で?」

叫ぶように声をかければ蹲っていたラクスが振り向き

僕の姿を見て目を見開き、慌てて立ち上がる

「な、なんで…!?
ここ…もう、女子部…なのに…」

「っはぁ…ラクスからメール来た後…
受け付けが、不備があるって呼んでて
ラクスが来てるのが解って…」

一度深呼吸をして息を整えると困惑しているラクスに説明する

「…ラクス、何か、あったの?」

「な、何も…無い、ですっ」

カガリに嫉妬したのか、なんて自惚れた事聞ける訳が無くて
遠回しに問いかければ俯いてしまう

ちゃんと顔が見たくて頬に手を添えて顔を上に向けさせると
大きな瞳に微かに涙が滲んでいて胸が締め付けられた

「…僕は、ラクスの相談に乗れないくらい…頼りない?」

「そんな事…っ!
そんな事…無い、です…」

必死に僕から目を反らそうとする彼女に少しだけ、悲しくなった


.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ