‡Title

□【恋に頑張る10のお題】Side−K<完結>
21ページ/31ページ


「今日は何読んでるの?」

「へぁ!?あ、ああ、あの…
文化祭の…喫茶店のメニュー、考案で…料理本、を…」

平常心を保ちながら問いかければ
焦りながらもなんとか説明してくれる

ホッとしつつ、何時もは無い包みを見付け興味がそそられる

微かに甘い、良い香りもした

「そうなんだ〜…ん?これ、何?」

「あ…えと、これ…試作品として、作ったんですが…
朝、友達が…メニューに、決定って言ってくれたんでけど…
その…ヤマト君にも…感想、貰えたらなって…」

包みを見ていると遠慮がちに差し出てくれた

「え…ラクスの、手作り…?」

「は、はい…
幾つか、作ってみたんですけど…
あの…いらなかったら、無理にとは…言わない、ですが…」

まさか昨日の今日でラクスの手料理が食べれると思っていなくて呆然としていたら
不安気に眉を下げ、手元に引き戻そうとするのを慌てて止める

「いらなくなんかない!
ありがとう!味わって食べさせてもらうね!」

早く食べたくて包みを開けようとしたら慌てた様子で止められ
流石に図書室は飲食禁止だから後で食べて、と箱を渡された


陽射しを浴びているからだけじゃなく
ラクスの手料理入りと解った途端に輝く包みを
そっと、揺らさないように受け取る

ラクスも昨日の事には触れず雑談をし、本を選んでもらい
チャイムが鳴るとそれぞれ戻る


丁度、午後一が体育だった為、授業が終わると直ぐ様包みを開く

色鮮やかな見た目と食欲をそそる香り

作ってから時間が経っている筈なのに、出来たてのように見えた

クラスメートからの魔の手から全て守り抜き
きちんと写メを残した上で全て味わって食べさせて頂いた



.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ