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□【恋に頑張る10のお題】Side−K<完結>
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到着すると既に満席で待たなくてはダメだろうか、と思っているとタイミング良く席に案内される

給仕係の女の子は皆色違いの袴に身を包み
室内の飾りやメニューも和で統一されていた

ケーキを注文し、ラクスと約束している旨を伝えると直ぐに呼んでくる、と言われる

ラクスも袴に身を包んでいるのだろうか、と裏方の筈なのに少し期待してしまう

「え…や、ヤマト君…?」

「ん?あ、ラクス!
袴似合うね!可愛い!!」

コツコツ、とブーツの音が隣で止まり視線を向けると
キョトン、と目を瞬かせるラクスが居た

プレゼントしてから付けている三日月の髪留めをし
サイドの髪を後ろで赤いリボンで纏め
手には僕が注文したケーキを持ち
淡い紫色に桜柄の着物を着て濃紺の袴を履き
鷲色のブーツ、そしてフリルの付いた白いエプロンをしていた

「あ、ありがとうございますわ…
あ…こちらご注文の、抹茶のシフォンケーキデラックス…です…
えと…休憩、なので…相席しても宜しい、ですか…?」

素直に褒めれば頬を赤らめつつ
慌ててケーキを僕の前に置き、遠慮がちに問いかけてくる

「どうぞどうぞ
ラクス、何か飲む?」

「え?あ…えと…お茶、を…」

「ん、解った
すいませーん」

向かいに座るよう促しながら問いかけ
直ぐ様給仕係の子を呼び、ラクスの分を注文する

「あの…ヤマト君…その恰好、は…?」

「あぁ、お化け屋敷の衣装のまま来ちゃったんだ
宣伝も兼ねてるし、いっかな〜って思って
着替えて来た方が良かった?」

もしかして、目立って嫌だったのだろうか、と問いかければ
慌てて首を振り否定されホッとする


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