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□【恋に頑張る10のお題】Side−K<完結>
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ラクスの手作りケーキを頬張り味を堪能しつつ
冷えた緑茶を飲むラクスをチラチラと見る
さっきの男が言ってた可愛い子、とは
やはりラクスの事かもしれない…と言う考えがよぎる
「これもラクスが作ったやつだよね?こないだ食べたやつ」
「あ、はい…今日は本番なので…生クリームたっぷりで甘め、ですが」
「うん、美味しい」
甘い物が好きなせいもあって
生クリームやフルーツ、黒蜜までかかったケーキをペロリと感触してしまった
その後、お互いに昼食を終えて見物に回ろうと教室を出る
エプロンは外したものの、袴姿のラクスと着流しの自分は些か注目を浴びていた
男からの視線はほとんどがラクスに注がれ、皆頬を赤らめていた
ラクスは気付いていないようで何時もと変わらず隣に並んでいた
「ラクス、危ないよ」
「え?っ!?」
ふと正面から来た擦れ違う人とラクスがぶつかりそうになり
反射的に肩を引き寄せる
小さく息を飲んで真っ赤になったかと思うと
突き飛ばされた
「っ…ラクス…?」
「あっ……ご、ごめ…ごめんなさ…っ」
突き飛ばされた事も驚いたけれど
それ以上に自分の行動に目を見開き
泣きそうな表情を浮かべるラクスに目を見開く
そして、そんな僕の表情に更に泣きそうになって
その場から駆け出してしまった
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