‡Title
□【恋に頑張る10のお題】Side−K<完結>
30ページ/31ページ
「ごめん…もう、君にちょっかいかけたりしないから…安心して…?
男が苦手なのに…無理させてごめんね?」
いくら謝っても足りないだろうと思いながら
彼女の為に自分の恋は諦めようと決意する
「ま、待って…!待って、ください…」
微かに上擦った声と共に
ガタン、と椅子を鳴らして勢いよく立ち上がるラクスに驚愕を露にする
ラクスがそんなに大きな声を出す所を見た事が無かった
「わ、私…無理してない、です…迷惑なんて思ってません…っ
ヤマト君と、お話、スゴく楽しくて…
いっぱい、もっともっと、お話…したい、って…思ってて…」
考えが上手くまとまっていないのだろう
何度もつっかえて、だけど視線だけは自分に固定されていた
また、自惚れそうになる気持ちを無理矢理押さえつける
「ごめんなさ…上手く、言えな…
わ、私…ヤマト君と…一緒に居たい…のに…
心臓がドキドキして…苦しくなって…
だから…さっきも…さっきも、ヤマト君が直ぐ側に居て嬉しかった、のに…
ドキドキが、聞こえたらって…恥ずかしくて……
わ、私、ヤマト君の事が…っ!!」
拳を握り締め意気込むラクスに
自惚れなんかじゃないんだと理解した途端
言葉を遮るように指で押さえる
どうして、と非難するような視線で見られつい、頬が緩む
「その先は…僕に言わせて…?」
「え…?」
意味が解らないのか目を瞬かせるラクスから
一度距離を取り、華奢な手を握る
自分より少し高い体温
.