□シンの〇〇〇
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「シンくん、これはなんですか?」

「小テストの答案です…」

「これはなんですか?」

「返却された…
5点の小テストの答案です…」

「何故、シワクチャなんですか?」

「丸めたから、です…」

「何故丸めたんですか?」

「…怒られると、思って…」

クシャクシャの紙…
もとい、5点の小テストの答案を間に正座する二人

ラクスは久しぶりに学生時代に使っていたセルフレームの眼鏡をかけ、学校モード
シンは肩を落としショボン、としている。背中には哀愁が漂っていた

そんな二人をキョトン、と見詰めるアウラと苦笑いするキラ

事の発端はシンが洗濯物として出したズボンのポケットから出て来た
シワクチャの採点用紙をラクスが発見したのだ

因みにこのテスト、前日につい深夜まで映画を見てしまい
寝不足でぼんやりしていた上に範囲のヤマまで外して全く解けなかったのだ

「シンくん、何故怒られると思ったんですか?」

「…点が、酷いから…」

「因みにこれ、何点満点ですか?」

「…百点満点です…」

シンの言葉に流石にラクスも目を見開き
キラもこれは庇えないな、と肩を竦める

「…シンくん…今、貴方の立場が解りますか?」

「叱られてる」

「そこじゃありません!
いいですか?貴方は受験生なのですよ?」

「…俺、就職希望だし…」

「大学には行った方が良いとキラに言われましたでしょう!」

シンはキラの会社に入りたい、と常々言っていて
キラからプログラムを教わって居たし、会社の人達も歓迎してくれている

しかし、キラが唯一、大学に出すべきだと
高校から直ぐに就職と言う事に難色を示しているのだ



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