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□不良の彼で5題<完結>
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「ふふ…キラに会いたくておサボリですわ」
「…あっそ…」
素っ気なく言うと漸く体を起こし
半分以上残っている煙草をコンクリートに擦り火を揉み消す
学ランのポケットからきちんと携帯灰皿を取り出し吸い殻を処分する
「まぁ、冷たいですわね…
彼女が会いたいって言ってるんですから
ありがとう、僕も会いたかったよとか
お礼のチューの一つくらい…んっ」
プク、と頬を膨らませてわざと拗ねたふりをするラクスの言葉を遮るように唇を重ねる
「…これで満足?
僕今から寝る所だから邪魔しないでね」
学ランを脱ぎ地面に敷き、ラクスをそこに座るように促しながらぶっきらぼうに告げる
「もう…仕方ありませんわね
どーぞ?」
そんなキラの態度に何時もの事、と座り直して膝を差し出す
ポフン、と当たり前のようにキラの頭がラクスの太股に乗り直ぐに寝息が漏れる
「…私の事を気遣って煙草の火を消してくださるのは嬉しいのですが…
キスの前くらいは…
ガムとか飴を口にしてからにして欲しいですわねぇ…」
未だに口に残る独特な味に小さく溜め息を溢す
大好きな彼が何時も口にしている煙草だけは、好きに慣れないなぁと流れる雲を見ながらぼんやりと思った
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