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□不良の彼で5題2<完結>
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「キラ!あら?えっと…シンくん、でしたわよね?」
制服に着替えたラクスがパタパタと駆け寄りシンに気付き首を傾げる
「あ、クライン先輩、おはようございます」
「はい、おはようございます」
ニコニコと挨拶し合う二人に微かに眉間に皺を寄せラクスの腰を引き寄せ
まだ火の付いていないタバコを握り締めてポケットに突っ込みそのままラクスを膝に座らせる
「あらあら…どうなさいましたの?」
流れるような一連の動作に目を瞬かせつつ大人しくキラの腕の中に収まり首を傾げればギュウッと抱き締められる
「…ふふ…私が大好きなのはキラだけですから安心してくださいな?」
「は?別に、そんな事心配してないし…
ラクスが誰を好きでも関係無いから」
プイッと顔を反らしてしまったが耳が赤くついつい笑みが溢れる
「き、キラさん!安心してください!俺、彼女居ますし…
あの、もしそれでも信じられないならクライン先輩に手を出さないって誓いに…
えっと…あ!小指詰めます!!」
テンパって小指を立てて突き出し捲し立てるシンに呆れた表情浮かべ溜め息を吐く
「それじゃあヤーさんじゃん…
はぁ…もういいから、次の授業遅れるから教室行きな?」
1年の教室は遠いんだからと促せば何度も頭を下げながら去って行くシン
「ラクスも、教室行くから下りて」
自分から膝に座らせたのだが満足したのか腰から手を離す
「ヤです〜
せっかくですから暫く抱っこしててくださいな?」
ガッシリとしがみついて離れなくなってしまったラクスに数分前の自分を恨みつつ
仕方ない、とそのまま抱き締め頭の片隅でラクスの出席日数を計算するキラだった
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