song

□心が指す場所と口癖 そして君が ついて来る
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いつも君が言わせたがる“あの”言葉
でも僕は恥ずかしがって 口にはしない
ありきたりな言葉 二人ならそれも素敵さ
じゃいっそ ねぇずっと 口癖の言葉になるように


目覚ましが鳴り起床を知らせる少し前に目覚める

自分でも珍しいな、なんて思いながらベッドを抜け出してゆっくりと静かにカーテンを開く
町中を白く染める雪に凍えるような窓ガラス、吐く息も白い

ブルッと寒さに体が震えてエアコンのスイッチを入れて振り向けば
自分の枕の端に頭を乗せて、つい先程まで自分が寝ていたすぐ側で小さな寝息をたてるラクスに自然と頬が緩む

(やっぱり、いつもより近付いてる…)

この季節になると寒さからか、おやすみ、と言った時よりも近付いて眠るラクスに毎年ながら、心が暖かくなる

「ん、んん…キラ…?」

「おはよう、ラクス…」

「…おはようございます…キラ…」

目覚めて一番最初に自分を探してくれたのだと思うと嬉しくて優しく頭を撫でれば子猫のように擦り寄ってくる

「もう…いきなり居なくならないでください…」

「ふふ、ごめんごめん…」

キョロキョロと僕を探す姿が愛しくて、つい早く起きた日には先にベッドを抜け出てしまう悪い癖

「むぅ…好きって言ってくれたら、許しますわ…」

「えぇ…?恥ずかしいなぁ…
好きだよ…」

普段、ラクスは「今以上なんて、何も望みませんわ。ですから、私から離れて行かないでくださいね」なんて言うくせに、
ぷくりと頬を膨らませて可愛らしいワガママをしてみせる

いつもことあるごとに言わせたがる言葉
でも、僕は恥ずかしくていつも誤魔化して口にはしない
だからこそ言わせたがるのかもしれないのだけど…

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