*小話

□うたた寝すやすや。
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トタトタトタトタトタ──






心地良い日の光が、窓から優しく降り注ぐ。

そんな麗らかなある日の昼下がり、綺麗に磨かれた渡り廊下に、軽やかな足音が僅かに響いていた。



足音の主は、息を弾ませ、さらさらと金色の髪をなびかせて足音と同じく、やはり軽やかに走っている。
彼女の頬には赤みがさし、口元には嬉しそうな笑みが浮かび、今向かっている先が楽しみでならないことが、誰が見ても一目で分かるだろう。

普段は決して、蚊程も足音を立てない彼女が気を許し、嬉しさのあまり少しだけ気配を殺すのを忘れるのは、彼に相対するときだけだということを、城内の誰もが知っている。








*うたた寝すやすや*



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