Never Land

□プロローグ
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【プロローグ】

「みんな、早く準備して〜」

守の声が響き渡る。

「拓麻〜、早く返してよ〜!!」

「へへ〜ん!こっちだよ〜!!」

拓麻は來夢の着替えを持って走り回っている。

そしてその着替えを取り返そうと、來夢は拓麻を追いかける。

「駄目だよ、拓麻。早く來夢に返してあげてね」

守はにっこりと拓麻に言った。

「・・・わかったよ。ほら」

拓麻は素直に、手に持っていた着替えを來夢に返した。

拓麻は、守特有のほんわかした雰囲気が苦手なのだ。

「いつも楽しそうだよね〜」

「ね〜」

そんな守たちの様子を、蒼太と綾太は微笑ましく眺めていた。





「ボクの大切なの、どこ?」

李瑛は床に這いつくばって、何かを探している。

すると、そんな李瑛の肩に誰かの手が触れる。

「はい、これでしょ?」

李瑛が振り向くと、そこには李瑛の探していたロケットを持った未玖琉がいた。

「未玖琉!ありがと!!」

李瑛は勢い良く未玖琉に抱きついた。

「わわっ!?李瑛、重い〜!!」

抱きつかれた勢いで押し倒されてしまった未玖琉は、李瑛の下でもがいていた。

「・・・」

「どうした?」

白夜は葵に声をかけた。

葵が、じゃれあっている李瑛と未玖琉を見つめたまま、じっとしていたからだ。

白夜に声をかけられた葵は、ビクッと身体を縮ませた。

だがすぐに白夜の方を向き、ふるふると首を横に振った。

「そうか」

その葵の反応を見て、白夜はそれ以上何も言わなかった。





「みんな、そろそろ準備おっけ〜?」

「おっけ〜!!」

守が呼びかけると、みんなそれに答えた。

「それじゃ、お店開けるよ〜」

少し大きめの扉が、音を立てて開かれる。

「いらっしゃいませ!夢の空間、『never land』へようこそ!!」


 
 

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