Boy's Love.[短編倉庫]

□鳴門
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「シカァ!」
 7、8、10班の珍しい合同任務が終わり、帰る面々にあらゆる意味で絶大な効果をもたらす声が、響いた後すぐナルトがシカマルに抱きついていた。
 それを見たナルトに好意を寄せる男共と腐女子と呼ばれる類の女達の叫び声が木霊した。阿鼻叫喚という言葉が当てはまりそうな光景である。
「どうした、ナルト。」
「無視すんじゃねー!」
 シカマルの見事なまでの周りへの無関心っぷりに腹を立てる男共。
 そして、腐女子達は何やらメモ用紙を取りだし、頭を寄せ合い会議中。
「やめろ〜!シカをいじめんなぁ!」
 一番近くにいたカカシに向かって涙目を見せるナルト。
 ――か、かわいい……!
 皆の心が一つになった瞬間である。そして、数人の鼻血と言う名の紅色が辺りに広がる。
「汚いってば!!」
 ナルトのその言葉にこっそり傷付くその数人。これでは、ただのアホの集まりである。
「俺の可愛いナルトを汚さないで下さいますか?」
 全く見たことのない狐の面をつけた暗部が音もなくナルトの隣に立った。
「誰だてめぇ!」
「ホントに誰だい?」
 口々にいきなり現れた謎の男に対し、怒り露わにする男共。
 その周りの声を一切無視し、謎の男に笑顔を向けるナルト。
「シカァ!」
「こら、馬鹿!」
 シカマルから離れ、素早く謎の男に抱きつくナルト。そんなナルトに焦る男。
 周りは沈黙し、瞠目する。次の瞬間には、悲鳴が上がる。
「シカマル〜!?」
 皆困惑し、じっとその暗部を見つめる。
「全く…」
 仕方ないといった雰囲気を醸しだし面をとる暗部。
「シカマル!!」
 重なる声。
「そ。じゃあな、ナルト帰るぞ。」
 無表情だった顔を一変させ、ナルトに優しく微笑むシカマル。
「うん!」
 嬉しそうに満面の笑みを見せるナルト。これだけで二人の深い関係が見て取れる。
 だが、互いに周りは完全無視である。視線すらやらない。
「ああ、そうそうこれ以上知りたかったら自力で調べてみな。ちなみに、それは影分身だぜ。
あー…っとそれから。忠告だが、ナルトに絶対手ぇ出すなよ。特にカカシ上忍。」
 シカマルは、言いたいことを全て言うとナルトを抱え、余韻も何も残さずに姿を消す。
 誰もが、気配すら探れない事実に愕然する。
 男達は、互いに肩を抱き合い慰め合った。かなり、嫌な光景である。
 そして腐女子達は、いち早く立て直すと、今後のネタ提供に感謝すると共に新刊の準備に家路に着いたのだった。




 ̄ ̄ ̄ ̄

お前達には触れさせない。

 
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