Boy's Love.[短編倉庫]

□種
1ページ/1ページ

 “I, Bride, take you to be my lawfully wedded wife, to have and to hold from this day forward, for better or for worse, for richer, for poorer, in sickness and in health, to love and to cherish; and I promise to be faithful to you until death parts us.”
“新郎(新婦)となる私は、新婦(新郎)となるあなたを妻(夫)とし、良いときも悪いときも、富めるときも貧しきときも、病めるときも健やかなるときも、死がふたりを分かつまで、愛し慈しみ貞節を守ることをここに誓います。”


「クロト…。」
「なぁに、シャニ?」
「今日から夫婦になったんだから、帰り一緒に帰って俺の家に、住むから‥。」
「――…は?住むからって、決定事項!?
……まぁ、いいけどさ…。」
 シャニとクロトは、いつものように学校の屋上でランチタイムを楽しんでいると、シャニがいきなり喋りだした。
 実は、昨日こっそり2人だけの結婚式をしたのである。
 近くにたまたまあった、教会に忍び込み誓いの言葉を互いに交わし、誓いのキスをし、用意していた指輪も交換し、本当の結婚式のようなことをしたのだ。――が、法的に認められてない上に、公認ではなく2人だけの秘密と言うべき秘め事の筈なのだが、何なんだこの男は‥!
 シャニは確かに家族がいなくて一人暮らしをしているからいいけど、でもね‥僕にはハイネ兄がいるんですけど‥!
 しかも、ハイネ兄なら正直に言ったりしたら、怒りくるってシャニを殺したり、家を破壊しだしそうだから言えるわけ無いんですけど・・!!
 ――とはいっても、嬉しいから説得は任せることにして、とりあえず今日は泊まりに行くけどね。

「説得してよね‥。」
 …あ、やばい顔赤いや‥。
 シャニは、僕の顔をまじまじと見ると、僕にしか見せたことの無い嬉しそうな笑顔で笑むと、額にキスを落としながらこれ以上ないくらい甘い声で、優しく僕の耳元に囁いた。
「もちろん。絶対、一生放さないから…。」





*******


「弟さんを俺に下さい!」
 覚悟を決めたらしいシャニは、いきなりハイネの前で大声を上げ土下座。
「・・・ならん!!ならんならん!!」
 狂ったように叫ぶと、壁を殴りながらシャニの元へ…。
 思い切り、胸元のシャツを持ち上げ壁に打ち付ける。
 流石‥殴ったところが全て崩れるような馬鹿力の持ち主だ…と、弟は遠い目をしている。
「……ってぇ‥。」
「……はぁ‥‥すぅ‥、はぁ‥。――泣かしたら殺す!」
 そのまま投げ飛ばすと、「くろちょ〜。」と泣き叫びながら2階に走り出した。
 ‥‥どうやら、許しもらえたらしい。
「あたりまえじゃん…義兄さん。」


――――

末永くお幸せに。

 
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ