Boy's Love.[短編倉庫]
□他
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「やっぱり、美人の顔を見ながらの食事は美味しいねぇ〜。」
機嫌よく笑う相手に次第に苛々が募る。
――美人って何だよ…。
「あ、ヒカル君も食べていいよ〜。
俺、所持金沢山持ってるから奢っちゃうよ〜。」 …正直、ここまでウザイ人だとは思わなかった‥。
「いいです‥。」
嗚呼‥、全く何時もの調子に戻らない。
駄洒落の一つすら、頭に浮かんでこない上に、このウザくて腹黒い遊び人に対して、つい縮こまってしまっている‥。
「ん〜…遠慮なんて、しなくて大丈夫だよ〜。
俺、美人には優しくしちゃう主義だから。
‥あ、ここの店のナンがおいしんだよね〜。」
何も頼まないと帰さないと、言わんばかりにメニューを俺の前に広げ、どうしても黒いと感じてしまう笑みを添え指を指す。
あー‥もぉー‥。
サエさんといい、この人といいどうして腹黒い人は自分勝手な人が多いんだよ‥!
「――‥はぁ。
何でもいいですよ、このナンでいいです。」
…ぐぁっ、無意識に……違うか‥この人か‥。
「あはは!ヒカル君は、駄洒落が好きなんだね?」
やっぱり、か…。ムカツク…少し、今この人といるのも悪くないかも。とか、思った…。
あぁ…何かこの人に負けた気分だ‥。
―――
嫌いじゃないと思わせるこの人が、苛立たしい。