Boy's Love.[短編倉庫]
□オリジナル
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〜びけいぐんだんに顔見せだわぁい!〜
何じゃこりゃー!!予想ガーイ!はっはっは、かの太陽に向かって吼えちゃう系な名台詞なノリで澪いっきまーす。
ああ、それはちょこっと横にずらしておいて、本題だ。‥なぜ、あの王道BLでいうとこの、受けキャラのお相手な生徒会やら風紀委員会やらの方々が?ホワ〜イ。
「どうかなさったんですか?」
キャラ設定通りの当たり障りの少ない言葉を選び投げかけ、内心はこの状況を面白おかしく思い嗤ってやる。
「ああ、不知火君だったよね?澪の同室者の。」
ふむ、牽制か。何とも面妖な。あ、間違えた面倒な。
折角、相模澪がアンアン喘ぐような状況の外堀が完璧になってきて楽しくなってきたというのに、水を差しおって‥!
「そうですけど、相模君に何かあったんですか?」
そんな俺の言葉にこの中での支配者らしい、生徒会会計の腹黒ヤサ男である、和銅椎名(ワドウシイナ)が困ったような笑みを向けてきた。
「うん、実は生徒会室で寝ちゃって起きないから、同じフロアにある僕達の中の誰かの部屋で今夜は過ごして貰おうかと思ってね‥。」
あああぁ!王道を地で行く天然か!よしよし、そのままなし崩しにしてしまえ!大丈夫だ、録画の準備は完璧だ!
「そうですか、では皆さん相模君を宜しくお願いしますね。」
にこりと微笑み牽制している皆様の睨みを交わしてやる。
やっべ、ギョッとしたこいつらの顔面白!!
「‥何か文句とか言わんのか?」
関西弁という理由で風紀委員会に適当に放り込んだ、懐かしの御堂烈(ミドウレツ)が口を挟んできた。いやまぁ、懐かしいのは俺だけなのだがな。
「ええ、僕は参戦していませんから。最初から傍観者ですよ。」
ふふ。と穏やかに笑い一礼し部屋に戻る。
――あー、楽し。
内心気持ち悪い笑いを漏らしながらも、ダイヤモンドの仮面を表に晒す。
見ているものは、何の疑いもせずに、その笑顔を本物だと思うのだろう。
‥あ、設定した平凡で無害な学生から、腹黒傍観者にしちゃったなぁ。ちょっち失敗失敗。
‥ま、楽しいから問題無いにしても、興味持たれたら面倒だな‥‥あー、でも確か腹黒いちびっ子風紀副委員やら美形な長髪ヤサ男生徒会会計がいたから、大丈夫か。
それに何より相模きゅんにメロキュンラビューであろうから、そっちの意味では安全であろう。
うぬうぬ。と、まるで腕を組んで頷いている頑固親父みたいな映像を頭に浮かべながら、想いを馳せた。