†蓮の沼

□この星空の奇跡
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時刻は夜の9時。キノコ王国のお姫様が自分の部屋へ帰ってきた。
「今日も疲れたわ…」 彼女は暗い表情で星空を見上げる。ある思いが気持ちを暗くさせる。
「マリオ…」
そっと名を呼ぶ。彼は彼女にとって、クッパから何度も助けてくれ、守ってくれた恩人。そして、控えめな自分と親しくしてくれる大切な友人だった。だが、何より彼は彼女の片思いの相手だった。でも彼はその事に気づいてない。ピーチ自身も、出会った頃は恋心はなかった。ただ、自分と親しくしてくれる人だった。だが、彼に助けられるうちに、ピーチはマリオに淡い思いを抱くようになった。だがその頃マリオには片思いの相手がいた。マリオの高校時代の先輩、だった。彼女も一度暴走族の頭に誘拐されていて、彼女に好かれるためにマリオは命がけで彼女を助けた。
そのことは分かっていた。今も心は彼女にあると…
でも…
私に振り向いてほしい…一人の男性としてあなたと一緒にいたい……
その瞬間、ピーチは上着を着て、城を抜け出した。目指す場所はただ一つ。あの日、マリオと出会った場所…。なぜ急に城を抜け出したのか、彼女にも分からなかった。これが城の人に知れたらひどく叱られる。でも止めることはできなかった。
マリオに会いたい・・・。その一心で、ピーチは走り続けた。
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