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□まい でぃあ!
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昼に地上ミッションから帰投するティエリアのために、偏食家であるティエリアの口にあう昼食をトレミーで作っていたアレルヤは、唐突に入ったティエリアからの通信にティエリアの自室に向かっていた。
私服に着替えたらすぐに食堂に来ると言っていたのにどうしたのだろう、と思いながら(というか、同じトレミー内で通信する意味が分からない)インターフォンでティエリアを呼び出す。

「開いている。入れ。」

すぐに返ってきた声とともに、扉が横開きして開く。その中にいたティエリアの姿にアレルヤは目を丸くした。


「………えっと、なんでまだパイロットスーツ?」

「別に好きでこの格好をしてるんじゃない。」

ガンダムから降りたパイロットスーツのままベッドに腰を下ろしていたティエリアは、アレルヤが部屋に入ってきたことで格好を正し、立ち上がると、扉の近くに立ち尽くしたままのアレルヤのところまで近付いてくる。
また何かティエリアの計画を歪めることでもあったのか、不機嫌顔だ。こうやって怒っているティエリアも可愛いのだが、後々困るの
で、アレルヤは笑顔をつくる。

「どうしたの?何かあった?」

「スーツを脱がせろ。」

「へ…」

脱がせろ、とは今そんな雰囲気なのだろうか?とアレルヤはティエリアの言葉に更に驚き、二の句を告げなくなる。一応、いつまでたってもティエリアが認めようとしないので二人はそういう関係ではない筈だ。とは言っても、任務前には感じないのだが、任務が終わってしまえば好きな人のスーツ姿は目に毒以外の何物でもなくて、アレルヤはどうしよう…と途方に暮れた。
しかし、ティエリアはそんなアレルヤの気持ちなど知るものか、という風に顔を顰める。

「ファスナーが降りないから脱げない。どうにかしろ。」

ここ、と首を指を差されるので、アレルヤもそこに視線をやる。ファスナーがスーツを噛んでしまっていて動かなくなっている。

「あぁ…そういうこと」

「…?どうした、出来ないか?」

「え、ううん。出来るよ。じっとしてて。」

残念なような、そうでもないような微妙な気持ちになりながら、結構深く食い込んでいるファスナーを外してやる。しばらくじっとしていたティエリアだが、アレルヤが終わったよ、と言
えば、「お前は何でも出来て凄いな、」と感慨深そうに呟かれて、アレルヤは苦笑した。ティエリアは繊細な顔に似合わず豪快で無器用なのだ。そんなティエリアの世話を焼くのは楽しいし、人間らしいティエリアがとても可愛らしいと思う。
そのまま、ファスナーを胸の辺りまで下げれば露になる細く白い首筋に、この位は許されるかな、と思いつつ、我慢が出来なくて唇を寄せる。しっとりと吸い付くような滑らかな肌の感触が気持ち良くて、ティエリアの体を抱き、更に堪能しようとしたところで、ぐいと後ろ髪を引っ張られた。

「…ティエリア、」

「腹が減った。着替えるから、もう出ていけ。」

早く、という風に胸を押される。ティエリアとそういう雰囲気になれるのはまだまだ先のようで、アレルヤは溜め息を吐く。

「分かったよ。ご飯の用意、しとくね。」

そう言って出ていこうと踵を返せば、無言で腕をとられて、なに、と言おうとした次の瞬間には首筋に小さな衝撃。
ちゅ、と可愛らしい音をたててすぐに離れた先には、ティエリアの機嫌の良さそうな顔。

「助かった、アレルヤ。感謝する。」

お前はいい嫁になるな、なんて言われて、アレルヤはティエリアが何を思ってそう言った
のか、分からなかった(後で聞けば、ロックオンの入れ知恵というのが判明したのだが)





まい でぃあ!



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