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□朝、隣に君がいる
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アレルヤを起こさないように腰に回った腕をそっと離して立ち上がる。
少し外の空気を吸おうと窓際に立ち、カーテンを捲り窓を薄く開けた。地上の朝独特のひんやりとした空気が流れ込む。窓から見える湖に日が反射してきらきら綺麗だ。
少し寒くなってきたから窓を閉めようか、と考えたがそれも惜しい。そんなことを考えていれば、後ろからふわりと温かな体温が覆った。
「起こしたか?すまないアレルヤ、」
寒かったか眩しかったかしたのだろうと思ったが、しかしアレルヤはゆるく首を振った。ぎゅうと背中から抱き締められて首筋に顔を埋められているから余り表情は見えないが、薄くしか目が開いていない。ああまだ眠いんだな、と自然に笑みが溢れた。
「ん…ちが、う。ティエリアが、そばにいなかったから」
「そうか。それは悪かったな、しかし眠いならまだ寝ていて良いんだぞ」
「…ケチ。僕がてぃえりあと一緒に寝るの好きだって知ってるくせにぃー」
ぐりぐりと額を押し付けられて、アレルヤの柔らかな髪がくすぐったい。
こら、と小さく声を漏らせば、ティエリアいい匂い、可愛い。なんて言われた。
「寝言は寝て言え。それに重い。俺にもたれて寝るな」
「あとちょっとしたら起きる…」
体格が違うから、体重を預けられては堪ったものではない。
ああでも、目の前にはずっと見ていたくなるような景色が広がっていて、静かな室内には外から聞こえる自然の音と、それからゆったりと話すアレルヤの言葉しか聞こえない。柄にもなく幸せだなんて感じてしまう。
「仕方ない。後少しだけだぞ。…君は、甘えすぎだ」
「えへへ、ありがと、」
心底嬉しそうなアレルヤに仕返しもかねて背中を押し付け体重を預ければ、そのまま自然に支えられてしまう。いつもこうだ。
さっきまでぐぅぐぅ寝てた癖に、とか、甘えてばかりなのに、とか思うけれど、結局アレルヤは上手にティエリアを甘やかしてくれる。アレルヤは起きたら起きたで、ティエリアの世話を妬きたがるのだ。
それを考えれば、寝ているアレルヤに甘えられるのは悪くない、なんて思ってしまう。
(君と迎える朝は、こんなにもきらきらしているんだ)
朝、隣に君がいる
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甘えたアレルヤ×男前ティエを目指したのですが、結局いつもと同じです^^^^
アレルヤを起こさないように気を使ってあげるティエとか、ティエの肩口で寝ちゃいそうなアレルヤが書きたかったんです。寝起きが苦手なのは我が家ではいつもなら反対なんですが。