睡眠御膳

□花束より言葉を贈る
1ページ/1ページ


柄にもないことはするものではない

例えば、相手に花を贈った

これ以上ないと言うくらい疑わしい顔をされた

しまった。花は好かなかったか。


むしろ、嫌味かと思わせる顔をしていた。


贈り物は失敗だったようで、相手を喜ばすだけか不機嫌にしてしまった。


さて、どうしたものかと考えていると言葉が耳に届いた。

「先にいう事があるだろう……」


その言葉は魔法のように俺の思考を変えた。


ああ、もしかして不機嫌なのは花のせいではなく


「誕生日おめでとうございます。砕蜂隊長」


「………」


返事は返ってこない。だが、十分だ。

目を逸らし
顔を赤らめ、
緩む口を必死に直そうとして、


贈られた花を握りしめた。




余りにも、その姿が理性を揺さぶったので花ごとあなたを抱きしめた。



終わり

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ