睡眠御膳
□愛憎模様
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俺は
貴方の姿を見る度に愛しさが募る
貴方の笑顔で俺の世界は満ちる
貴方がいるだけで俺の視界は貴方という光に支配される
俺は
貴方を愛しています
そして
俺は
貴方を憎んでいます
貴方が他の男といるだけでも独占欲が込み上がる
もし
貴方のその笑顔が俺に向かない時が来ると思うと
貴方を壊したくなる
愛と憎悪は表裏一体と聞きます
貴方が俺に近付く度に双方の感情が強まるんです
ほら
今だって
頭の中では
愛せと
憎めと
命令するんです
今は前者が勝っている
でも後者が勝ってしまったら……
壊したくない
コワシタイ
これは
貴方を
遠ざければ
拒めば
消えますか
あぁ貴方は今、寝返りを打ちましたね
愛しい
愛くるしい
この感情もいつか無くなり貴方を傷付ける衝動にかられてしまうならいっそ……
『砕蜂隊長……』
今は
貴方の名前を呟くだけで片方の感情を押し殺すことができる
でもいつかどんな事をしても押し殺せない時が来たら
俺を殺して下さい
『…スミマセン』
呟き俺も目を閉じ意識を混濁へと導くこの日々が永遠に続くように夢見ながら
深く
深く
混濁の地に堕ちる
・了・