夢中地図
□斬魂刀の名
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今からお前の名前は《 》だ
少年は名もなき刀に名を与えた
■斬魄刀の名■
少年と刀は月が頭上によく映える竹林で巡り会った
刀は人の姿をしており、泣いていた。
その姿は髪は赤、瞳も赤であり、着物を纏った女性
『何で泣いてんの?』
少年は問う
「捨てられたから」
女は答えた
『何で?』
少年はまた問う
「私は危険な存在だから」
女は悲しげに答えた
『危険?』
一拍置き静かに女は答える
「私の持つ力は誰にも制御できないから、今まで誰一人として私を扱いきれなかった。だから……捨てられた」
話が終わり女の頬を涙が伝った
少年は少し何かを考え、次の言葉で女を驚かさせた
『なぁ、それ俺じゃダメか?』
女は下に向けていた視線を少年に向けた
「…何……が…?」
今度は女が問う
『あんたを使うの。あんた斬魄刀ってやつだろ?丁度、刀が欲しいと思ってたし、俺がお前を使ってやるよ』
女は声を張り上げた
「嘘だ!!どうせお前も私を捨てるんだ!またこんな思いをするならっ『捨てねぇ!!!』
少年は女の声より大きな声を発した
『絶対捨てねぇ!!見捨てねぇ!!』
「ッ!!」
女は少し落ち着きを取り戻し問うた
「お前は…何故そこまで言える?」
少年は少し遠い所を見て答えた
『俺も…アンタと一緒だったから…』
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