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□タレ髪注意
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ミーン…ミーン‥
季節は夏。
汗をかくほど気温があがり耐えられずに今日も奪還屋の二人はバテていた…
●タレ髪注意●
「あっじぃ―――!!やっぱ浴びる!!」
「だめ!!!」
「いいじゃねぇかよ!まだ朝の5時すぎだぜ!?誰も見るヤツなんていねーよ!!
!」
朝から誰もいない公園で言い合う二人。そんな言い合いに更に暑さにまして耐えきれず脱ぎだす蛮。
「ちょっ…ダメなもんはダメ!誰かに見られたら蛮ちゃん食べられちゃうよ!」
「あ゛ぁ!?んだとテメェ!!!だいたいなんでお前の言うこと聞かねぇといけねぇんだ!」
銀次の言葉を聞かずに蛮はあっというまに上下脱いでいた。
「もう!ダメだってば!!じゃあコレ濡れてもいいからせめて上着て!!!」
そう言い着替え用のいつも着ているだぼだぼなTシャツを蛮に着せる。
「でっけぇよ!たくっ…水浴びするだけだってのによ。」
そう、蛮の言う通り、ただ公園で水浴びをしようと思ってただけだった。だが銀次は蛮の姿を見てより不安が募っていた。
膝より少し上のだぼだぼなTシャツに見えるか見えないかのブリーフ。身につけているものはそれだけだ。
「ふぃ―――!!気持ちいいぜ♪銀次もこいよ!」
更に水で濡れてタレ髪な上に水でまとわりつく服のせいで浮かぶ身体のライン、爽やかに自分の名を呼ぶ蛮に銀次は頭を悩ませた。
「蛮ちゃん…無防備スギルヨ!!!」
涙目で蛮が浴びてる水が散らない場所で頭を抱えてしゃがみこみ大きな溜め息をつく。
刹那、
「美堂っ!?ナニやってんだこんな公共の場で!」
「げっ猿回しっつ」
聞き覚えがあると声の方向見ればそこには士度が。
「あ、士度っ!ねぇ聞いてよ!!蛮ちゃんってば無防備すぎるよねっ!」
そう言いながら蛮の方を指差す銀次。自分を指差す相手不快そうに蛮は水を蹴って銀次に飛ばした。
「どこが!何も問題なんてないだろ!?」
「「あるっ!!」」
速答。
「は?んだよ猿回しまで!!」
「あっ、いや美堂、(一人で)うちに来い。シャワーかしてやる。それに部屋には冷房も付いてるしよ」
「ホントかっ!?」
シャワーに冷房と言う言葉に直ぐ様反応し、子供のように目を輝かせる蛮に思わず二人は内心可愛いと思ってしまっていた。
「来るんだな?」
「ちょっとまったあぁぁあ!!」
蛮に確認した筈が会話に割り込むように銀次が入って来たため内心舌打ちする士度。
「どうしたんだよ銀次?やったじゃねぇか!クーラーだぜ!?」
「蛮ちゃんなにもわかってない!!士度、当然俺も行ってイイよねぇ?」
喜ぶパートナーに溜め息つくも顔を上げて士度ににっこりと頬笑みながら言った。
「(チッ…)ああ」
内心もう一度舌打ちするも元リーダーに叶う筈なく承諾する士度。
銀次勝利であった。
「取りあえず蛮ちゃんそのかっこじゃ風邪ひくよ…って蛮ちゃん!?!!」
蛮の方を見ると噴水の縁へと倒れてぐったりとしていた。思わず二人は蛮に駆け寄る。
「美堂!!!どうしたんだ!?すごい熱だ!!しっかりしろ美堂!!!」
「蛮ちゃん!!!」
ぼんやり二人の必死な声が聞こえるも蛮意識はそこで途絶えた――