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□特別治療時間
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「テメェは食わねぇのか?」
「ええ、私は余り空腹を感じませんので」
「……お前ほんとに人間か?」
「どうでしょうねぇ」
「……」
にこにこ笑う相手を横目に食べ進めるもふと手を止め雑炊を見つめて考え、一口
分掬っておもむろに赤屍の口元に差し出した。




「ん、食え」



相手の意外な行動に目を丸くするもすぐに頬を緩ませ首を傾げる赤屍。

「よろしいのですか?」
「味見ぐらいしろよ…うめぇんだし」

そっぽ向いて蛮は小さく呟いた。



「いただきます」



蛮の手に軽く手を添えて雑炊を口にふくんだ。


「どうだ?」
興味本位に問いかける蛮。流石に自分が作った料理を美味しいとはあまり思えず、赤屍は素直に感想を述べた。

「まあまあです」
「ははっこれでまあまあかよ」

赤屍の回答に笑いながらもあっというまに雑炊を食べ終わり手を合わせる。









「食後にホットミルクでも飲みますか?」
綺麗に空になった食器が乗ったトレーごとキッチンに持って行き洗い物をしながら、興味津々に部屋を見回す蛮に問いかけた。


「おう!」


案の定元気よく返ってきた返事に笑み返して洗い物を終らしてからコップを二つ用意し、ミルクを注いでレンジへと入れスイッチを押す赤屍。




「医者ってもうかんのか?」

ふかふかなソファーの感触を手で確かめながらふと赤屍に問いかけた。

「いえ…私は医者を本職にしてませんからなんとも」
「へー…じゃあやっぱ運び屋で儲けてンのかよ?」
「まあそんなとこですかね」
問いに曖昧に答えてホットミルクが入ったコップ両手に蛮の隣へと戻った。

一つをそっと蛮に差し出しソレを礼を言って受け取る蛮。冷めないように両手でコップを包むように持ってゆっくりと飲む。






「はー…あったまる‥」
「だいぶ顔色よくなりましたね」
コップを口から離したタイミングを見計らいそっと頬に手を添えて蛮の顔色を伺う赤屍。



「アンタのおかげだ…」



少しひんやりした相手の手がドコか心地よく振り払わずポツリと呟いた。






蛮の言葉ににっこりと笑み浮かべる赤屍。
「お役に立てたようで何よりです」
「ん…」
「おや?眠いですか?」
問いかけに小さく頷き目を擦る蛮に笑み深くして、相手の持つコップを取り自分のと一緒にテーブルに置き静かに抱き上げた。





「クス…本当に可愛い人ですね」


子供のような相手に思わず独り言漏らしながらベットへと運びそっと降ろす。
掛布団を掛けようとするもふと伸びた手にシャツの裾握られ行動を遮りられた。








「起こしてしまいましたか?」
申し訳なさそうに控え目に問う赤屍に対し、眠そうに枕に顔を埋めて唸る蛮。


「んー…お前も、ここで寝ろ‥」
「ご一緒しても宜しいのですか?」
「ん…」
眠気半分な呟き聞けば嬉しそうに笑みを漏らし相手の隣へと横になる。
既に静かに寝息たてる蛮の額に口付けそっと抱き寄せた。


「良い夢を」













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