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□特別治療時間
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とても心地いい温もりにゆっくり瞼上げるも真っ暗な視界に顔をあげた。


「赤ば、ね…?」


見上げると静かに眠る赤屍が視界に入り、見たことのない相手の寝顔に思わず見とれながらそっと頬に触れた。






「おはようございます」







優しい微笑みを浮かべて蛮を見る赤屍。蛮はあたふたと頬に添えた手を離した。

「…はよ」
「良く眠れましたか?」
「ん」
赤屍の問いにこくりと頷く。










暫く思考を巡らすもふと口を開いた。
「…言っとくけど礼が出来る金は一つもねぇから」
ぶっきらぼうに呟く蛮に赤屍はクスリと笑う。








「お金なんていりませんよ。礼は―…」









蛮の顎に手を添え固定すれば唇をゆっくり重ねた。

数秒後、






「これで十分ですよ」




満面の笑みを浮かべる赤屍。




「バカばね…っ」

そんな赤屍の顔をまともに見れず口元塞いで真っ赤な顔隠すように蛮は顔を伏せた。

















数日後、傷も殆ど塞がり体力も回復した。






蛮に巻いた包帯を取りながら笑みを浮かべ話す赤屍。
「美堂くん、怪我や身体に異常がありましたらいつでも私の所へ来て下さいね?」
「…金とらねぇ?」
「もちろん…美堂くんなら喜んで無料で診察致しますよ」
相手の言葉に思わずクスッと笑う。



「変なヤツ…」
「ただ会いに来て下さるだけでも大歓迎ですが」
楽しそうにどこか声弾ませながら赤屍は首傾げる。




「だ…誰が用もなく会いに来るかっ」


否定の声上げる蛮の腕を優しく引いてもう一度口付けた。
驚き隠せない相手の表情に笑みを浮かべてゆっくり唇離し蛮の頬を撫でる。





「楽しみにしてますよ」







「…だから、いちいちキスして来んじゃねぇ!!このキス魔!!!!」

















その後、なんだかんだ言って理由をつけて蛮は赤屍の所へ行くようになったとかならないとか。

その話はまた次回…?















        おわり

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