GB

□ 黒
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「っ、蛮…気持ちいいですか?」
「…んッ」

赤屍の問いかけに頬を紅潮させながら頷き返す蛮。



快楽の波押し寄せ既に限界へと追い込まれ、確りとお互いの存在を確認するように抱き合い夢中で腰を揺らした。
自身を扱く手を早め激しく突き上げ絶頂へと追い込む。



「‥くろ…どっ、も…ッ」

相手自身を締め付け腰揺らしながら紫眼を濡らし限界を訴えた。
その言葉に微笑み浮かべ前立腺を擦り上げ尖端へ爪をたてた。




「…――ぁあああっ!!」
「…ッ!」



同時に赤屍のモノを強く締め付け大きく背を反らし自身から勢いよく白濁を放つと共に、最奥へとたっぷりと注がれた白濁。


そのまま蛮は意識を手放した――…



































まだ夜も明けぬ早朝。

温もりに目が覚めた。



「…――ん」

重たい瞼を持ち上げるもはっきりとしない視界。
真っ暗な視界に顔を少し上げ、初めて自分が抱き締められベットで寝てていたことに気付いた。





数時間前の記憶が煩い位に脳内を巡る。











翌々考えれば、俺はあの雨の中消えようとしていた


そうすればきっともう闇に引き込まれない

否、溶け込めるかもしれない






そう、思ってた。










けど、




漆黒を纏うアイツが目の前に現れて


黒に溶け込みたくなった


闇ではない黒色に







あったかくて
泣きたくなるくらいに優しい黒




「…蔵人」
無意識にポツリと名前を呟いていた。静かに眠る相手を見つめる。



「…眠れませんか?」

起きた気配にゆっくりと目を開ける赤屍。
混じり合う視線気まずく視線伏せて軽く首を横に降った。




「な…アンタは消えたりしねぇ?」


唐突に問いかける。

何かを確認するように。





「蛮がいる限り消えませんよ。蛮の帰る場所が常に私の元で有ってほしい」

「蔵人……」








本当にコイツは欲しい言葉以上の言葉をくれる。

偽りでないと解るくらい真っ直ぐに。






「……ずりぃ」
「?」
「うざってぇぐらいに帰って来てやるから覚悟しとけよ!」
赤屍の服を握り締め、目に滲むものを隠すように胸元に顔を埋め呟いた。


「覚悟しておきます」


クスクスと相手の様子に笑いながら優しく抱き締める腕に力を入れ、そっと髪に口付けを落とした。









…俺はもう離れられそうにない







コイツの傍が温かい居場所だと



ひどく泣きたくなる安堵感を知ってしまった。








‥もう、寒くない。









そっと背中に手を回し身を委ね、静かに目を閉じた。



この温もりを失わぬように―‥











           END.

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