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□What does God expect?
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「蛮ももう18ですか…」
「んだよ、親父くせぇこと言って」
悪態つきながらも促されるまま白衣の似合う大好きな人の隣へと腰を下ろした。
大好きな定位置に。
「蛮…愛してますよ」
「なんだよ突然…」
微笑み浮かべて髪をすいてくる赤屍。蛮は相手がかけていたメガネを取り不思議そうに顔を覗き込んで首を傾げた。
真っ直ぐ見つめてくる紫色の瞳に思わず吸い込まれそうになる。
「蛮は私だけの物です。この綺麗な瞳も身体も心も全て」
腰を抱き寄せそっと唇を重ねた。
未だ慣れない赤屍がくれる嬉しい言葉につい頬を真っ赤にしながらも、素直に甘い口付けを受け入れた。
「…なんかあったのか?」
ゆっくり唇を離して頬に手を添え心配そうに問いかける蛮。
そんな蛮に優しく微笑んだ。
「何もないですよ。寧ろ小さな天使が私の元に幸せを持って来てくれたことを神に感謝してたんです」
「小さな天使…?」
疑問に首を捻る相手がおかしく、クスクス笑いながら問掛けた。
「どんな方だと思いますか?」
「んー…小さいっつーことは可愛いらしくてきらきらしてるようなやつ?」
天使だし、とつけたしながら赤屍を見つめる。
そんな返答に思わず頬を緩ませ笑う。蛮は不満そうに口先尖らせた。
「あっなんで笑うんだよ!」
「あまりにも可愛いらしくてつい」
「わけわかんねーし…つか、結局どんなヤツだったんだよっ」
「正解は蛮ですよ」
「ばん…って、俺?」
他人の名前を聞いたような錯覚にキョトンとした表情で再度名前を確認するように自分を指差した。
はい、と頷く赤屍。
「ちょっなんで俺が天使なんだよ…っ」
「無邪気な笑顔を浮かべて私と一緒にいると言ってくれた蛮はまるで天使のようでしたよ。もちろん私だけの可愛い天使」
相手の言葉に返す言葉が見付からず真っ赤になる頬。
「だ‥だったら…あん時、優しく微笑みながら頭撫でて抱き締めくれた蔵人は俺にとってカミサマだ‥」
もう、一人で苦しまなくていいと教えてくれた腕
全て受け入れてくれた蔵人はあの時本当に神様だと思った。
真っ黒な神様。
「蛮」
耳まで赤くし目を伏せながらも話す蛮を思わず抱き締めた。
「蔵人…」
心地いい温もりに頬を寄せ微笑んだ。
何度も落ちてくる優しい口付け。
「蛮…愛してます」
「俺も。蔵人、絶対離れンな」
「はい。私の幸せは蛮がいないと成り立ちませんから。蛮は私だけのものです」
「ん…ずっと一緒な」
「はい、永遠に」
大好きな俺だけの死神との
大切な、大切な約束。
END.
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