「蔵人…!」
「蛮?傷が痛みますか?」
「…違う」
赤屍の問いに首を横に振る。うつ向いたままの相手の顔を心配そうに覗き込んだ。

「では、どうされました?」
「夢…見て‥」
「夢?」
「とにかくリアルで…蔵人が記憶喪失になって…銀次とかは解るのに俺のことだけ思い出せなくて‥結局俺のこと忘れたまま死んだ夢」

瞳を伏せシャツを握る。
そんな相手を徐に抱き締め髪に口付けを落とした。


「そんな夢は夢でしかない。現実は此方です…もし記憶がなくなるようなことがあれば尚、傍を離れないで下さい。忘れたならもう一度…蛮、貴方だけを愛します。というより愛させて下さい」
「んなこと出来ンのかよ…」
「蛮が片時も離れず傍に居てくれれば」
「離れるわけねーだろ…」



大好きな人の傍から。





「なら大丈夫です」
「何処から来んだよその自信は」
「蛮から伝わる愛からですよ」
「……忘れたりしたら毎日邪眼かけまくってやるから覚悟しとけよ」
「クスッそれは頼もしいですね」




誰が忘れさせるか

この幸せを。













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