未知なる小箱

□No Titel
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幸か不幸か
一日の大半を占めていた大きな予定がキャンセルになったので、彼と会うことになった。

久しぶりに会う彼は、いつもと変わらないはずなのに、待ち合わせ場所で彼の姿を見つけたときは、いつも以上に胸が高鳴っている気がした。
前日に大喧嘩をし、もうダメかと思ってたけど、やっぱり会うと好きだってことを再確認した。





この人がいいって思った。












わたしたちはいろんなところで価値観が違いすぎる。

そのことを認識するたびに言い争いになる。



終わりの見えない堂々巡りの会話。
本当は相性が悪いことはお互いにわかってて、このまま一緒にいることは難しいって思ってる。


でも、好き。
だから、一緒にいる。




そんな関係が続いてたんだけど、昨日、大きな壁にぶつかった。









根本的な価値観の違い。









お互いに埋まらない。
育ってきた環境の違いから生じる大きなズレ。
わたしは、側にいたいが為にその溝を埋めることに必死だった。
わたしが一人で埋めようと頑張った。
彼は自分の考えを変えるつもりはないから、わたしが合わせるしかなくて必死だった。


それで、今まで何とかうまくいっていた。
いっているように見えた。
それでもわたしの根本はやっぱり変わってなくて、自分の考えを捨てて彼に合わせることに一瞬の迷いが生じた。


わたしたちはそういう大切なことは必ず言葉にする。
電話越し、言葉にして、彼を傷つけた。
彼はわたしが変わることを信じていたのに、わたしはそれを裏切った。
これが前日のわたしたち。














基本的に“引きずらない”
それがわたしたちのスタイル。
だから、話は終わったと思い込んでた。
電話では確かに一回終わっていた。
でもそれはわたしだけだった。











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