PARODY SS

□耳に残るは君の歌声
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真っ黒な空から雨が降る。


『ぃやッ!やめろ!!…誰か…ッいやだぁあぁぁあぁ―――ッ!!!』



生きるとは、なんだろう?


この世に産まれゆく子は目がまた開かず暗く、死に時も瞳を閉じてまた暗い。
けれど目をきちんと開けておいても何も見えやしない。

生きるとは、恥のうわのりだ。

(なら俺に生きる価値はあるのだろうか?)




『だれか…助け…て』




この暗闇から、俺を助け出してくれ。





■耳に残るは君の歌声■




「浜田、何してんの?それゴマ?」

ゴリゴリと広い休憩室で浜田が弁当をつつきながらすり鉢で何かをすっていた。準太が聞くと笑って答える。

「ん?ああ、ウミホタルを乾燥させたのをすり鉢ですってんの。こないだ食中毒できたガキがさぁ、蛍見たいってうるせーのよ。だから、光だけ。」
「ああ、田島ね!あれうっるせーよなぁ!こっちのほうまでたまに声届くし。」
「内科の方まで聞こえてんの?…準太この後昼休みヒマ?ガキがキャッチボールしたいって言うんだけど、俺ヒジ悪くてできないんだよね。」
「無理かな。内科はこの後診察がある。外科の織田に頼めよ。あいつ野球やってたみたいだし。午前で終わりだったはずだぜ。」
「俺がなんやて?」
「織田!」

長身の医者とは思えないガタイの織田がうどんをもってこちらに来る。じゃあ、と準太は手をふり部屋を出た。浜田の隣に座り、「それゴマ?」と織田が準太と同じ台詞を吐くことに浜田は苦笑した。

「織田この後オフだったら叶って中二のガキとキャッチボールしてやってくんねぇ?たぶん中庭いけば叶が解るから。」
「おー…、キャッチボールか。ええで。あ、じゃあコレ代わりに秋丸に届けてくれ。」
「あいよ。了解。」
「で、それゴマ?」
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