PHASE-SEED&DESTINY

□キミの瞳*Yzak
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『コーディネーター同士は、婚姻関係を結んでも 子供を持つ事は出来ないが‥特務強化プログラムが終了したら
‥一緒に暮らさないか?』


『私を好きだって認めるなら、考えてもいいわよ?イザーク。』



5年前、イザークが士官学校を卒業した日の まだ、14歳の幼い頃のシーン‥‥――


ヒマさえあれば、パイロット模擬プログラムばかりやっていた彼が、珍しく外に出ようと誘って来た。

普段なら見もしない 路上での安いアクセサリー屋の前に座り、小さなエメラルドグリーンの石のついた
リングを買うと


何の前ぶれもなく、まるでプロポーズみたいな言葉を言われ 驚くよりも先に、笑ってしまった私を

彼がどんな顔で見ていたかは、今はもう覚えていない。


母親同士が仲が良く、将来お互いの子供達が一緒になったら―― なんて話が盛り上がり

いつしか『許婚』の如く扱われてはいたが、そんな絵空事を、まさか『あのイザーク』が 本気にしていたなんて

私は、夢にも思ってはいなかった。


そして、口は悪くても友達を思い、家族思いの根は優しい彼が 本当に戦争に行くだなんて

そんな言葉を、イザークの口から聞くなんて 思ってなかった。


そして起こった CE'70 血のバレンタイン―――



それは たくさんのモノを奪い たくさんのモノを生み出し たくさんの事を変えた。


その中で、1番変わったのは



―――人の心



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