PHASE-SEED&DESTINY

□キミの瞳*Yzak 3
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「ん‥‥。」


小さく身じろぎしたアンジェラが 寝惚け眼を擦りながら、ハッとした様に起き上がる。


「ヤだ‥寝てたなんて‥すみません、ジュール隊長。ご気分はどうですか?吐き気とか、特に痛むところ
とか、何かありませんか?」


眠りこけていた事を恥じる様に 慌てて立ち上がり、俯き加減で尋ねるアンジェラの手首を掴んだイザークは
グイと力強く引き寄せた。


「な‥ッ?ぇ?」


不意の事にバランスを崩したアンジェラは、そのままイザークの胸へと倒れ込んだ。


「ちょ‥ジュール‥た‥――」

「久し振りだな。」


アンジェラの言葉を遮り イザークは、彼女の身体を柔らかく抱き締めると、感慨深げに呟く。
一方、イキナリ抱き締められたアンジェラの方は どうしていいのやら、なす術もなく イザークの術後の
傷を気にしながら、彼の顔を見た。


「久し振りって‥何が‥?」

「お前の瞳の中に映った俺を見たのは、かれこれもう‥5、いや、6年振りくらいになるかな‥‥。」

「ぇ‥。」



それだけアンは 俺から離れていて

                 俺もまた 彼女の顔を見てなかった―――


そんな事 今頃気付くなんざ 聞いて呆れる



「あの時の言葉‥確か、答えは保留のまま‥だったな。」

優しく まるで、以前の『アンジェラが好きだった頃のイザーク』の様な そんな柔らかい声に
アンジェラは戸惑っていた。


「あの時って‥‥?」



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