truth

□REINCARNATION 2
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――流産です。


思いあがり、いい気になっていた私は 1日に2人も大切な命を失ってしまった。

知らない間に、こんなにも大切で 好きだったなんて――

――失ってから その事に気付くなって、私は大バカだ。



入院したベッドの上から見たテレビ画面で、たくさんの彼を愛していたファンや 関係者が泣いているのを見た。

皆、彼が亡くなった事を悲しんでいる。



――私ノセイダ  私ガ悪イ  私ガ殺シタンダ



私ガ 皆カラ  彼ヲ奪ッタ!



当然の事ながら、私にも報道の刃が向けられたのだったが 当時17歳になったばかりだった私は、

大人に守られ、法律に守られ、画像までは公開される事はなかった。



ポッカリ空いた心の虚に、スッと入って来たのは 彼と同じバンドのギタリストだった。

泣き暮らす私の隣に 黙ってずっと傍に居て、優しく微笑み抱き締めてくれた。

その彼のおかげで ようやく立ち上がる事が出来た頃‥‥―――



偶然、聞いてしまった。



「オマエ、マジで『あの女』と付き合ってんの?バカじゃね?‥‥を、殺した女なのによ。」


「バカはお前等だろ?あの女のせいで‥‥は、死んだ。おかげで俺達バンドは、声を亡くし 大きな
ダメージを受けた。だから、俺は‥あの女を励まし、立ち直らせ、そして‥2度と火遊び出来ない様に…
思いッ切りフッて、地獄の底へ落としてやんだよッ!」



「怖ぇ〜!!」


ヒューヒューという仲間の声援に、ブイサインで応える彼を、私は、どんな顔で見てたんだろう。



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