★×忍足侑士B★

□守
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大丈夫。
ちゃんと、守ってあげるから。

□■守□■

あの日から、ずっと忍足は塞ぎがちだった。
跡部が何を言っても、何度問い質しても、忍足は何も答えようとしない。
あの日、榊に呼び出されてから、ずっと忍足の様子はおかしかった。
絶対何かあったのだろうと跡部は判っていたが、それが何なのかは判らなかった。

「…忍足、身体の調子はどうだ?」

「ん?…ああ、大丈夫やで。最近は落ち着いとるし」

忍足は以前と変わらず微笑んでいる。
しかし、その表情に力がないことは見れば判る。
何か辛いことを抱えているはずなのに、どうしてそこまで我慢するのか。
そんなに頼りない存在なのか。
跡部はそんなことを思い、一人やり場のない憤りを感じるのだった。

***

「…ごめんな。今日はもう帰るわ」

「…ああ」

あの日から、忍足は部活にもあまり顔を出さなくなった。
活発に運動することは出来ないにしても、忍足はテニスが好きだったはずなのに。
そして、部活に来なくなるのに比例して、跡部の家にも行かなくなり、抱かれることも少なくなった。
跡部が忍足の負担にならないよう気遣っても、忍足はそれすら拒むのだ。

付き合っているはずなのに、こんなにも遠く感じる。
跡部は自分の力のなさをひしひしと感じ、一人溜息を零し途方に暮れる日が続いていた。

「ねぇ、忍足何かあったの?」

「ああ…それが、何も言わないから判んねぇんだよ」

さすがに、様子がおかしいことには周りも気付いていた。
部内でも忍足は役立っていて、それが全く来なくなったのでは支障も出る。
部長であり、恋人でもある跡部は、早く忍足をどうにかしてやらなければという使命を感じていた。

***

そして、それから跡部は何日も、何回も忍足に質問した。
何があったのか、何を悩んでいるのか。
最初の頃は忍足も笑ってはぐらかしていたが、跡部があまりにしつこく聞くので、ぽつりぽつりと話し始めた。
あの日、榊と二人きりになったこと。
そこで、嫌なことをされたということ。
それが怖くて、部活に行きたくないということ。
実際に何があったかは忍足は頑なに話そうとしなかったが、それでも跡部にはなんとなく察しがついた。
だからこそ、跡部は忍足を責めることなく、ただ優しく抱き締めた。

「気付いてやれなくてごめんな」

「…ええよ。言わんかったんは俺の方やし…」

忍足はやっと以前のような笑顔を見せた。
跡部も安心したように笑うが、話したからといって問題が解決するわけではない。
跡部は忍足をしっかり抱き締めながら、自分がこれから全力で守ることを誓った。

***

そして、その日の夜。
忍足は久し振りに跡部の家に泊まりに来ていた。

「…大丈夫か?」

「ん…大丈夫やから、気ぃ遣わんでええよ」

ベッドに横になった忍足は、何も身に纏っていなかった。
その上に、同じく生まれたままの姿の跡部が覆い被さっている。

「っん…ぅん…」

跡部の指先が胸の突起に触れ、忍足の身体が小さく跳ねる。
忍足は少し緊張しているのか、身体を強張らせていたが、跡部からの愛撫にすぐに気持ちよさそうに熱い吐息を漏らす。

「ぁ、ああっ…跡部…ッ」

「我慢すんなよ?」

胸の突起が硬く尖ってくると、跡部はそこを更に舌で刺激する。
ぷっくりと勃ち上がったそれを舐めたり吸ったり、時には甘く噛みながら、片手は自身に触れる。

「ひぁっ!あ…ぁ…!」

直接的な刺激に、忍足の身体が大きく跳ねる。
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