★×向日岳人A★
□パニックキッチン
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嫌な予感はしていた。
それを覆してこそ、最高の思い出になる。
□■パニックキッチン□■
忍足の家に岳人が泊まりに来るのは、もう珍しくはなかった。
一人暮らしをしている忍足のところに来ると、好き勝手に出来るのだ。
夜更かししても誰にも咎められず、多少騒いでも怒られない。
今日もそんな理由で岳人はここに来ていた。
「いつも泊めてもらってるしさ、今日は俺が飯作るから!」
「…は?」
突然岳人が告げた言葉に、忍足は目を丸くする。
岳人が料理するとは聞いたことがない。
「侑士はゆっくりしてろよ。任せとけって」
「え…あ、ああ…いや…」
岳人に背中を押され、無理矢理ソファに座らされた。
やる気満々な岳人はいそいそとエプロンを着け、鼻歌混じりにキッチンに入っていった。
「……」
忍足は言いようのない不安を抱えながら、大人しくソファに座って待つ。
「えーと、玉葱って皮剥くんだよな…」
時折聞こえてくる声は、忍足の不安を煽り続ける。
何を作っているのだろうかと、そっとキッチンを覗き込むと、岳人が野菜と格闘していた。
「岳人…何作っとん?」
「ん?カレー。ちゃんと材料も用意してあるから」
確かに、調理台にはカレーの材料が所狭しと並んでいる。
箱の裏には作り方も書かれている。
「大丈夫だって。ほら、出来てんだろ?」
岳人が見せた人参は、皮を剥く前より随分と小さくなってしまっていた。
「…やっぱ、手伝った方がええんちゃう?」
「いいってば!侑士は手出すなよ」
岳人はやると決めたからには絶対に最後までやりたいらしい。
心配する忍足を牽制しながら、岳人は再び調理に取り掛かった。
しかし、慣れていないのが目に見えて判るほどの危なっかしい手つき、忍足はリビングに戻る気にもなれなかった。
「…岳人」
「なんだよ、邪魔すんなって…」
なんとか料理を止めさせようと考えた忍足は、後ろから唐突に岳人を抱き竦めた。
そして、そのままエプロンの中に手を入れ、シャツ越しに胸の突起を探り当て、指先で捏ねる。
「っん…!」
元々敏感な岳人はたったそれだけの刺激にも気を取られ、持っていた人参と包丁を手放した。
「食事は後でええやろ?な?」
「はっ…侑士…」
忍足はニヤリと笑うと片手をシャツの裾から侵入させ、直接突起に触れる。
岳人は調理台に両手をついて、少しずつ呼吸を荒げていった。
「敏感やなぁ。可愛え」
指先を押し返すように突起は硬く尖り、触れる度に身体はビクビクと震えた。
ついでに後ろから耳を甘噛みすると、岳人の口から甘い声が漏れた。
「ふぁ…あ、ぁっ」
「岳人…下、脱がしてもええ?」
直接耳に吹き込むように囁かれると、岳人の肩がビクンと跳ねた。
この状況の岳人がそれを拒むはずもなく、何も言わず小さく頷いた。
忍足は岳人にエプロンは着けさせたまま、ズボンと下着をまとめて引きずり落としてしまった。
「っひあ!」
忍足の手が岳人の自身を握ると、既に少し硬度を持っていた。
岳人は調理台の端をしっかり掴むようにして必死に身体を支えている。
「ゆ…し、っ…」
「立っとんの辛いか?」
自身をゆるゆると扱くと、岳人の膝がガクガクと震え始めた。
忍足は岳人の身体を支えながら手早く調理台の上を片付け、上体をその上に預けるような体勢にさせる。
「なんかめっちゃ誘っとるみたいやな?」
「っん…」