★×忍足侑士B★

□転機
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知っていたから。
小さい頃から、ずっと。

□■転機□■

謙也と忍足は、幼い頃からの知り合いだった。
従兄弟同士ということもあり、昔から何かと対抗意識を燃やしていた。
それは、勉強でもスポーツでも、恋愛でも同じだった。

「どうせ謙也はまだ彼女も居らへんやろ」

「そんなこと言うて、侑士やって居らんからここに来たんやろ」

今、忍足は謙也の家に遊びに来ていた。
学校が試験休みになり、部活もないため、帰省も兼ねて帰ってきたのだ。

「はー…どっかに居らんかな、可愛え女の子」

「居ったとしても謙也じゃ無理やろ」

「なんやて?」

そんなことを言い合いながら、実際は二人とも寂しいものだ。
それが判っているから、こうして言い合うことも出来るのだが。

「…なあ」

「なんや?」

「せっかくやし、ここで経験してみたらええやん」

そんな謙也の提案は、悪魔の囁きだった。

***

「っはぅ…あ、ぁあっ…」

決め手はジャンケンだった。
それに負けた忍足は、謙也に抱かれていた。
男相手にするのは当然初めてで、かなりの痛みがあった。
それでもなんとか受け入れることが出来る。
と言うよりは、受け入れるしかないのだ。
身体は痛みを軽減させようとしてか、無意識に快感を探している。

「…あ、ここか?」

「っん、う、ぁあっ!」

謙也はどこでそんな知識を仕入れてきたのか、忍足の中の感じるポイントを探して擦り上げてくる。
すると、忍足の口からは引き攣ったような甲高い声があがるのだ。

「侑士でも…そんな声出すんやな…」

「っ…アホ、んな…聞かんでええわ…!」

それでもまだ悪態を吐くだけの余裕はあるらしい。
寧ろ、そうしていないと、理性を保てそうにないのだ。
このまま快感に溺れたら、きっととんでもないことを口走ってしまう。

「ぁ…う、んんっ!?」

あまり声をあげずに済むようにと、唇を噛み締めた忍足だったが、不意に謙也が自身に触れると身体が大きく跳ねる。
そうでなくても、後ろだけでも快感を得るようになっていたところだ。
そんな中、前後から刺激を与えられれば、耐えられずに身体が震えるのも当然のことだった。

「あ、はっ…嫌、止め…っぅあ!」

「めっちゃ気持ちよさそうやん。止めたら物足りんのやない?」

「ッ…!」

楽しそうな謙也に悔しさが込み上げる。
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