★×跡部景吾A★
□望む未来
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その日、テニス部二年、鳳長太郎はあることを実行しようとしていた。
自分の望みのために。
□■望む未来□■
鳳は同じくテニス部正レギュラーの三年、宍戸亮のことを想っていた。
以前特訓に付き合ってからというもの、ダブルスを組むことになり、距離もぐっと近付いて、好きになるのにそう時間はかからなかった。
しかし、未だ宍戸に手を出せないのには、ある理由があった。
それは、テニス部部長、跡部景吾の存在。
誰から見ても強く、輝く存在の跡部には誰もが目を奪われる。
それくらいは誰でも判る。
しかし。
宍戸が跡部を見る目はそれとは違うということに気付いた。
きっかけは何だったか覚えていないが、鳳はそれを知ってしまった。
鳳はこのままでは跡部に宍戸を奪られてしまうと思った。
何とかしてそれを阻止しようとした。
その結果が………。
***
「お疲れー」
「お先に失礼します」
放課後、部活が終わり、皆が次々下校する。
跡部は部長として部誌を書かなくてはならないので、いつも一番最後まで残っている。
「…鳳、まだ帰らないのか?」
いつまでも帰ろうとしない鳳を不審に思い、跡部は口を開いた。
鳳は人懐っこい笑顔を跡部に向け、返事をした。
「ちょっと跡部さんに用があって」
「俺に?なんだ?」
鳳が跡部に用事など珍しいこと。
跡部は部誌を書くのを中断した。
鳳はゆっくり跡部に近付いて、跡部の襟を掴んだ。
「っ!!?」
そのまま上に引っ張って無理矢理立たせ、直後髪を掴んで机に頭を押し付けさせた。
突然のことに抵抗出来なかった跡部は、パニックに陥った。
鳳は跡部の上着を乱暴に脱がせ、ネクタイで跡部の腕を縛った。
「鳳っ!?」
「悪いですけど、ヤらせてもらいますよ」
「やっ、ちょっ!」
鳳は傍にあったテーピングで跡部の左足首と机の脚を縛った。
これで跡部は、逃げることが出来なくなった。
「鳳、やめろっ!」
「跡部さんがいなければ、宍戸さんは俺のものになるんですよ」
「し、宍戸?」