★×跡部景吾A★

□全部
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見てしまった──。

見なければ良かった。

あんな…あんな場面。


□■全部□■


俺が見たのは、教材室で高等部の女生徒とSEXしている忍足だった。
恋人ではないと思う。
ただ乱暴に犯しているのが見えた。
女関係が派手な忍足。
多くの女と関係を持っているとよく聞いていた。
見なければいいのに、俺の目はそれに釘づけで。
それも、女生徒の方でなく忍足に…。

俺は忍足が好きだった。

それをずっと見ていた。
行為の最中は、相手のことなど考えていないように見えた忍足が、行為が終わった途端に人が変わったように優しくなった。

羨ましかった。

たとえ一度だけでも、一瞬だけでも忍足に優しくしてもらえる、名前も知らない女生徒に嫉妬した。
だからその日の放課後、俺は言った。

『俺じゃだめか?』

忍足はすぐに俺を押し倒して行為を始めた。
俺の顔が好みだった、ずっと抱いてみたかったと言った。
たまらなく嬉しかった。

俺はSEXの経験なんてなかったから、忍足の言う通りにした。
自分で服を脱ぎ捨て、見せつけるように自身を扱いて自慰をした。
忍足自身は勿論、足の指まで舐めた。
自分でも触ったことのない後孔に自分の指を突っ込んだ。
そこに忍足自身を挿れてもらって、思わず泣き出してしまった。
泣いても忍足はやめてくれなかったけれど、行為の後は信じられないくらい優しくて。
髪を梳いて、服を着せてくれて。
俺はまた泣いてしまったのを覚えている。

そんな、俺が一方的に忍足を好きで、身体だけを重ねる関係はまだ続いている。

「ホラ…したいんやったら早く自分で準備せぇ」

「う…ふぅぅ…っ、ん…ぅ…ん」

忍足自身を口いっぱいに頬張って、自分で後孔を掻き混ぜる。
全部、忍足に教えてもらったこと。
忍足が喜んでくれるなら、俺は何でもする。

「アカン。全然気持ちよぉないわ。下手クソ」

きつい言葉を投げ掛けられてもいい。

「うっ、あぁぁああっ!!ごめ…なさ…っ」

俺のを思い切り踏まれ、頬に忍足自身を擦りつけられてもいい。
咽の奥に引っ掛けてしまうほど忍足自身を口に突っ込まれてもいい。
だって俺は忍足が好きなんだから。

「全部飲めや。飲めんかったらやめる」

「Σんぐぅ…っ、…ん…ごくっ…はぁ…っ」

この言葉もいつものこと。
俺も初めのうちはとても飲むことなんか出来なくて、吐き出してしまうこともよくあった。
だけど、最近は躊躇わず飲めるくらいになった。

「ハッ…この淫乱が…けどちょうどええわ」

忍足は俺を床に押し倒していきなり突っ込んできた。
まだ中途半端にしか解していなかったからちょっと痛かったけれど、そんなこと言ったところで何の意味もないことは判っている。

「アっ、あぁっ!そこ…違ぁうっ!!」

「うるさいわ、淫乱…そんな言うんやったら自分で動き」

俺はこくこく頷いて、自分で腰を動かして、忍足自身の先端をイイところに当たるようにする。
こうやって淫らな姿を見せ付けると、忍足が喜ぶことを知っているから。
少しでも多く忍足とSEXするためには、少しでも忍足に気に入ってもらえるようにしなくてはならない。
この行為の裏には、そんな健気な努力がある。

「ア、あぁあっ!中、中にいっぱい出してぇっ!あぁああん!!」

俺は忍足にぎゅっと抱き付いた後、自ら腰を振りながら達した。
忍足は中に大量に白濁を注いでくれる。
俺はうっとりした瞳で忍足を見る。
散々酷いことをされたし、させられたけど、それもいい。
だって好きだから。
まるで病気みたいだ。
この行為の後の、ほんの僅かな時間優しくしてもらえるだけで、どんなことも我慢出来るんだから。

「跡部…可愛かったで…。またヤろうな…」

さっきまでとは打って変わって俺に優しい言葉をかけてくれる忍足。
髪を撫でてもらって、額にキスしてもらう。
それだけで俺は幸せを感じていた。
今までは。
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